ドラマの主な登場人物:ドラマ登場人物のモデル探し
経済小説というジャンルがあるので、それに倣えば「ハゲタカ」は経済ドラマか。そんな呼称はないだろうけど、経済を中心に扱っていることは間違いない。
ドラマでは企業や経営者など、「ああ、あの会社(人)をもじっているんだ」と誰もが思いつくように描かれているが(大空電機の大木会長など)、多くの人が思いつく「元ネタ」は実は単なる「ほのめかし」であり、本当はそれとは別の企業や経営者をモチーフにしているケースも少なくない(会長の想定から大空電機を松下電産と思った人も多いのでは?)。
しかし、そうした推定がドラマで描かれる設定としっくりこないことがある。たとえば松下電産はコア事業がないし(二股ソケットって世界トップレベルの技術者が作るほどのものじゃない)、事業部門の売却もなければ経営不振というほどの業績悪化も聞かない。
それはわれわれの推測と、モチーフとされた企業(人)とが違っているということである。
では本当に下敷きとなった企業や人は何か。ドラマとはそもそもフィクションなんだから、そのモデルを推測するなど無粋ではないかというご指摘もあろう。でも、こんなに「ほのめかし」をされれば「それなら正体を見てやろうじゃないの」となるのも必定。無粋を承知で、あえて元ネタを探してみようと思う。
ただモデルを特定するには、どうしても原作にあたる必要がある。ドラマでは時間の制約からか「ほのめかし」が十分とは言えないからである。
ドラマは原作と筋書きが大きく異なっていて別の作品と考えた方がいいが、ドラマの登場人物や企業などはかなり原作に忠実だ。そして原作本『ハゲタカ』には、ほとんど容易に想像できる暗示が多い。
ただ原作で描かれている企業や人物は、単独ではなく複数のモデルをひとまとめにしてあるとしか思えない。おまけにその活動や顛末にいたっては、想像されるモデルのそれとはほとんど一致しない。単なる「名義借り」なのだ。
さらに視聴者の「記憶」の問題もある。普通のドラマならパロディ、あるいはもじりとして「くすぐり」になるものが、経済ドラマではそうならない。よほど経済情勢に関心があるか、企業動向に注意を向けていない限り、人は「経済事件」の詳細をすぐに忘れてしまうからである。
そんなこんなの制約はあるし、どこまで推定、再現できるか分からないが、ハゲタカのモデル探し、さて始めてみよう。